M42マウント on K-70のための覚書

旧サイトから転載した記事なので内容齟齬やリンク切れなどの不備が生じていることがあります。
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というわけで、目下思いがけず「M42大星雲」の世界に入門しつつある私ですが、

一眼レフ初心者の上にオールドレンズ初心者なので、わからないことだらけです。
K-70をさわり始めた時に判ったこと・感じたことをブログにあれこれ書いておいて、後で自分としては意外に役に立ったことがありました。手練れの先輩方には退屈でしょうが、M42レンズについて今回にわか勉強したことと、初めて現物をさわって感じたことを記しておこうと思います。

<オートタクマーF1.8/55mm>

・交換レンズの世界標準規格マウントとして登場したP(プラクティカルスクリュー)マウントは、42mm径であることから通称M42マウントとも呼ばれています。このマウントで旭光学工業が1950年代から1970年代にかけて送り出したのが、タクマーブランドのレンズ。アサヒ・ペンタックスの一眼レフボディと共に世界的なヒット商品となり、日本だけでなく広く全世界に知られるようになりました。
・タクマーブランドのレンズは、機能・性能の進化にあわせて大きく4世代のシリーズに別れています。

①タクマーシリーズ:初期の完全手動モデル
②オートタクマーシリーズ:自動絞り化。
③スーパータクマ―シリーズ:過渡期で多くの仕様あり。
④SMCタクマーシリーズ:開放測光+多層コーティング
各シリーズで、様々な焦点距離×明るさの製品があり、最終のSMCタクマーシリーズではズームレンズも登場しました。

・レンズとカメラが連動して、絞りを開放した(ファインダーが明るい)状態で構図やピントの調整ができるようにして、レリーズの瞬間にレンズ側で指定した位置まで絞るのが「自動絞り」。撮り終わった後の開放復帰が手動なのが「半自動絞り」で、自動的に開放復帰するのが「完全自動絞り」。
・ウチに来た子は、どうやら完全自動絞りのオートタクマーF1.8/55の後期型。タクマーレンズについて凄い情報量のこのサイトによれば?期型。実質的に次シリーズの「スーパータクマ―」の初期型と同一仕様だけど商品名は「オートタクマー」のままという、世代間の境界モデルです。絞り輪が他のタクマーとは逆の左開放という、ちょっと面食らう特徴があります。
※因みに写真はスーパータクマーF1.8/55です。
・この世代のレンズでは開放測光ができないので、測光する時には実絞り。絞る分だけファインダーは暗くなります(実際、確認しました。スーッと視野が暗くなるのはなんか新鮮で、笑っちゃいました)。
・後の「SMCタクマー」の世代で開放測光が実現しますが、あくまでフィルムカメラでの話。デジタル一眼に付ける場合には、カメラと開放F値情報をやり取りできないので、すべてのM42レンズは実絞りで測光することになります。

<アダプター>

・Rayqual M42-PKを使用。取り付ける時は道具は不要ですが、取り外す時にはたいてい、付属の金具の助けを借りる必要が生じます。
・アダプターの着脱は結構面倒なので、M42マウントとKマウントのレンズをとっかえひっかえして使うことは難しそうです。
・このアダプターは、自動絞りのためのレンズの絞り連動ピン(押すとリングで指定した位置まで絞り、放すと絞り開放になる。フィルムカメラには、普段は放して開放にしておいて、レリーズの瞬間だけこのピンを押し込んで絞らせる機構がついてた)を常時押し込んでくれるので、いつでも思い通りに絞ることができます。

<フィルター、フード、キャップ>

・オートタクマーF1.8/55には、ごく普通の49?径用のフィルタ、フード、レンズキャップが取り付けられます。
・逆光や周辺光に弱そうなレンズなので、せめてフードは付けたい。フルサイズ用の純正のフードはカッコいいけど嵩張るしゴツいなあ、と思い、実用重視でハクバのシリコンフードを用意しました。
・ベーシックな保護フィルタを付け、余っていたPENTAX純正の49mmレンズキャップを嵌めて、装備完了。

<K-70側の設定>

・メニュー上で「絞りリングの使用を許可」に設定します。
・露出モードは、M42レンズを付けると、MモードかAvモードかの二択。PENTAXならではのM+ハイパーマニュアルを使いたいところですが、MFに気を使うことが多くなることを考えて、楽に使えるAvモードを常用することにしました。
・レンズ側で絞るとAEで適正露出を設定してくれます。実絞りでのAEは精度が得にくいという噂も聞きましたが、今後確かめていきましょう。
・その上で前ダイヤルに割り当てたISOを動かして、ファインダーを覗いたまま欲しいシャッター速度を得ます。露出補正もOK。
・ふだん分割測光にしてある私の場合、M42レンズに付け替えるとデフォルトで中央重点になります。これはそのまま使用。
・ボディ内手振れ補正が効きます。正しく効かせるには、メニューでレンズの焦点距離を正しく入力する必要があります。
・当然ながらピント合わせはMFで、測距は中央一点スポットです。合焦するとサインがピッと点灯して知らせてくれるので助かります。とはいえ、繊細なピント合わせは点灯した後の微調整が勝負です。

以上、備忘録終わり。能書きはこれくらいにして、早く撮ってみなきゃ。

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