東京カメラ部 2022写真展

標題の写真展が3年ぶりにオフラインで開催されるというので、渋谷のヒカリエホールに行って鑑賞してきました。

2012年から2021年までの「東京カメラ部10選」10世代による合同展示ほか関連する700点あまりの人気作・力作をまとめて観て勉強できる良い機会です。

会場は撮影自由、SNSなどへの投稿・紹介もOKというレギュレーションだったので、持参したLUMIX GF10で遠慮なく撮らせていただきました。

写り込みを避けたくてこんな消極的な写真しか撮れていないのですが、会場は結構な賑わいで、出展している作者とその知り合い、私のような見学者、協賛しているさまざまな組織の人たちでワイワイガヤガヤした雰囲気。

これまで「東京カメラ部」はFacebookで膨大な良質の投稿写真を集める同人?と理解していたのですが、写真家と地方自治体・観光事業者、機材用品サプライヤーを結んだビジネス主体であることを、今回訪れて初めて知ったわたしです。だからかなあ、「同人写真展」にしてはべらぼうに来場者平均年齢が若くて、活気がある。

※東京カメラ部さんのFacebookのホームはこちら

例えば横須賀市。「写真を撮る」ことを軸に観光誘致と地元の活性化を、ということなのでしょう。写真家のための散歩マップなども配布してくれていて、これはこれで横須賀方面に縁がある写真愛好家として有り難いし、楽しい。

他にもこうしてたくさんの自治体や観光事業者が出展してPR活動を展開されている。ふむ。しかし大きなビジネスモデルの中のマイルストンとしての作品展、という目で見てしまうとちょっと体温が下がりますね。それに、多数の支持を集める代表作として展示されている作品の何割かは、わたしの好みに照らすとやや「外連(ケレン)」味が強すぎました。

とはいえ、もちろん文句なく見とれてしまう力作良作が大多数です。作家と作品へのリスペクトはしっかりしているので、会場にビジネス風味は漂うものの「臭い」感じはしません。

むしろ純粋に趣味的な枯れた写真展と比べれば、良くも悪くもエネルギッシュ。写真を撮りたい人、売りたい人、見たい人、その情熱で自分んちの経済を回したい人、回す役でひと儲け目論む人、それらが入り乱れての、ほにゃらら2.0だか3.0だかの混沌とした油断ならない景色です。

会場で販売していた最新の写真集

この巻頭に特集されている2021年の「10選」のひとり、大竹亮太さんと会場で少しお話をしました。大竹さんの「秘境鉄道」という作品が本当に素晴らしく、あまりに感動したので作家ご本人さんに思わず声をかけてしまった。まだカメラを手に取って数年だとおっしゃっていて、そういうキャリアの人がこんな素晴らしい作品の数々をモノにされているのだと思うと、勇気がもらえるというか、我が身の上が恥ずかしくなるというか・・・。

ヒカリエホールの写真展は既に終了していますが、オンラインの展示会はまだわずかに会期が残っているはずなので、ぜひ「秘境鉄道」もその他の作品もご覧いただければ。

ともかく刺激の強い「東京カメラ部」展示会でした

会場を出て帰路、渋谷・青山の街でふと見かけた小さな花壇。小さくて清楚な、なんという花なのかな。

さきほどまで見た展示会とは撮影者の腕前を筆頭になにもかもまるで違いますが、こういう小さな世界も写真の楽しみではありますね。ここには混沌も油断も危険も無い。

使用した機材:GF10, LUMIX G VARIO12-32

タイトルとURLをコピーしました