ゆったりまったり箱根周遊のつづきです。
箱根と一口にいっても、ご承知のように箱根全山となるとエリアが広く高低差や地勢の違いも大きいので、避暑に適したところと、そうでもないところが比較的はっきりしています。美術館の集中する仙石原もなかなか冷涼な高原地域ですが、目にも涼し気で実際に気温も一番低いのはたぶん芦ノ湖周辺でしょう。
滞在中もっとも厳しい暑さが予想された日は、とにかく避暑優先ということで芦ノ湖周辺で過ごすことにしました。
で、幸か不幸か湖の周りはこの分厚い曇天。箱根町港あたりの船着き場付近から対岸を望む。
風景写真を撮りたいわたしとしてはどうにも気勢が上がりませんが、涼しいという点では大助かり。風が強く吹いて、ときどきちょっと寒さを感じるほどでしたね。
後ろ姿で湖畔に立つ女性がいらしたので、ちゃっかり借景させていただきました。
この写真では重たい雲の微妙な色合いと階調の表現、夏なのに寒々しい空気感の再現など、G99とパナライカ望遠ズームが実力の片鱗を見せてくれたかな、と思います。
観光用の「箱根海賊船」も、これだけ雲が厚く空が暗いとちょっと不気味な感じが漂わなくもないです。
定番の「富士山と芦ノ湖と青空」みたいな爽やかな写真は望むべくもありませんでしたが、避暑という目的は十二分に達したこと、分厚い雲が降りているが対岸までの視界はぎりぎり遮られることはないという微妙なバランスの芦ノ湖が眺められて、なおかつ雨にも降られずに写真が撮れたことは運が良かったと前向きに考えることにしましょう。
夏休みの人出で混み合う元箱根界隈をスルーして、「山のホテル」近くの並木道でワンショット。
有名な東海道の杉並木ほどのスケール感は無いですが、芦ノ湖畔の豊かな自然風景のひとコマとしてわたし的には満足のスナップです。
この後、雑踏を避けて山のホテルのラウンジで優雅に過ごしたお茶の時間の愉悦については、わたしが下手な言葉を連ねるよりも、皆さま是非お出かけの上でお試しいただいた方がよろしいかと。はい。
使用した機材:LUMIX G99, Leica DG16-60mm, Leida DG50-200mm