聲をきく

先週出掛けたばかりの六本木・東京ミッドタウンに、また出没してきました。

知人にミッドタウンに行った話をしたら「じゃあ、あれを見てきたのかな?」と言われて「???」

迂闊にも、FUJIFILM SQUAREで催されている素晴らしいネイチャー写真展に気が付かずにスルーして帰ってきてしまったようです。これはいかん、ということで翌週にあわてて再訪してきました。

こちらです。

裏磐梯、尾瀬、小国などの自然写真作品で知られる鈴木先生の代表作+新作約80点が一度に拝見できるという、実に贅沢な写真展でした。

なんというんでしょう、「どうだ、綺麗だろう、凄いだろう」というぐいぐい迫ってくる写真ではなく、静かな写真なのです。写真家の「撮ってやろう」という野心みたいなものが(わたしの感ずる限りでは)希薄で、被写体の自然がただ「そこにある」、先生の言葉をお借りすれば静けさの中で自然の「聲がきこえる」写真。

いや、そんな感想を語るのは100年以上早く、恐れ多いですが。

「撮影OK」の一角があったので、XF10で撮ってきました。
優れたネイチャー写真を見ると、ただただ圧倒されてしまいますが、今回は総合的な展示のおかげで、それに加えて「美の聲だけをきくのではない」「ノートリミングにこだわる」など鈴木先生の実践されている写真家としての具体的なスタンスにまで触れることができて、たいへん刺激になる経験でした。

作品の記録を見ると、鈴木先生が最近制作に使われているカメラは、この会場で写真展ということからわかるようにGFX100, GFX50SなどFUJIFILMの中判機を主力とされています。実はその他にPENTAX 645Z、フィルム時代は645NIIなども使われていて、以前にはリコーのカレンダー写真を担当されたりPENTAX K-1IIのプロモーションに協力されたりしたこともある、PENTAX使いとしても縁浅からぬ方なのです。恥ずかしながらこの写真展を見た後でにわか勉強して知った次第です。

この記事掲載時点でこの会場の会期は既に終わっていますが、この後大阪会場の予定もあり、写真集も刊行されているので、ネイチャー写真お好きな方はキャッチアップされてみてはいかがでしょう。

会場で販売されていた写真集「聲をきく」は、大判で少々重たかったので買わずに帰りましたが、まだアマゾンでは販売されていないみたいで、ちょっと後悔中。

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