京急沿線散歩 金沢八景

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金沢八景です。今回は横浜シーサイドライン側から到着したので、まずは湾岸地区らしいこんな光景から。

江戸元禄年間、大陸から招かれた高僧が故郷の風景を想いつつ当地の八つの景勝を詩に詠んだのが、金沢八景の始まりと言われているそうです。昔の八景は大半が失われてしまいましたが、新八景なども制定されて観光資源化されているとか。くわしくは金沢観光協会のHPをどうぞ。

京急と横浜シーサイドラインの2つの金沢八景駅の間は少し距離があります。いまそこで大規模な高架工事が進んでいます。ちなみに左手前の高架がシーサイドライン、右奥の見えないあたりが京急です。
単に歩行者橋で繋げるということなのか、駅そのものを少し移設するのか、はたまた手前に基礎を打っているところに共同駅ビルでも建てて商業開発するのか・・・どうなんでしょう?

海岸にぽつんと置かれた琵琶島神社の小さな社から、シーサイドラインを見上げて。

振り返って陸側にある瀬戸神社。たくさんの提灯が並んで華やかです。

さて、2つの神社から南へ、京急の駅をいったん横目でやり過ごして少し歩きます。
ここで私は何を撮ったのでしょうか?

少し長くなりますが、能書きを垂れさせていただきます。
歌舞伎演目「弁天娘女男白浪(べんてんむすめ めおのしらなみ)」の中で、稲瀬川土手に盗賊「白波五人男」が勢揃いして、名乗りを上げて見得を切る有名な一幕があります。
前振りで、彼らを追う捕手(とりて)たちが辺りを探し回る時に、盗賊はもう鎌倉から逃げたんじゃないか、と疑って

「朝比奈の切通を抜け、六浦の方まで行ったかしれぬ」
と話す小さな一場面と台詞が、何故か私の頭に残っていたのです。

上の写真、歩道橋に「金沢区六浦」の地名が見え、道路標識に「→ 朝比奈」とありますね。

そう、ここに六浦という地名があるのを知って、もしや、と思って来てみたらほんとに朝比奈と繋がっていて(当たり前か)、ちょっと感激して写真に撮った私です。ちょうど鎌倉行きのカッコいいバスも写りこんでくれました。

芝居では五人男は朝比奈を越えてこちらへ来ることはなく、鎌倉・稲瀬川で大立ち回りを演じるわけですが。

以上、能書き終わり。

さてその六浦近く、とある禅寺の垣根ではアジサイがきれいに咲いてました。

回り道しましたが、戻ってようやく京急金沢八景駅です。こちらは工事中の仮設改札口。

2面4線の地上駅で、金沢文庫駅との間は京急唯一の複々線区間だそうです。ここで本線から京急逗子線が分岐する重要駅ですが、私がこの駅で注目したのはさらにマニアックに、こちらの「三線軌条」。

金沢八景の北側に鉄道車両メーカーの工場があって、そちらから標準軌(線路幅 内側1435mm)の京急の線路を通って狭軌用の車両(JRや東急など)を出荷できるように、JR横須賀線への連絡線のある京急逗子線 神武寺駅まで、通常の京急の線路の内側にこのように三本目のレールが敷かれた珍しい「三線軌条」となっているのです。

さらに、京急逗子線の六浦駅近くでは全国でもここだけという「三線軌条渡り」という変則ポイントが見られる(らしい)のですが、まあ、それは次の機会に。
このブログ始めてから、どんどん鉄道に詳しくなっていく私(笑)。

今回、薀蓄話が多くてすみません、京急金沢八景散歩でした。

さて、これでとうとう「横浜市」が終了。
ここからさらに続けて南下するか、ここで区切りをつけるか・・・うーん、考えどころです。

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