元町サントス

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仕事で神戸に来ています。私はこの街で中学・高校を卒業しているので、その後諸事情で縁遠くはなっていますが、気持ちの上ではここは私のホームタウンです。

しかし、18歳で離れたので、オトナとしてここで暮らした経験は無く、悲しいかな、出張でやってきても、行きつけのバーの1軒、馴染みの洋服屋さん1軒あるわけではわけではありません。やたらと土地勘だけがある、変な観光客です。

近年、旧居留地の観光資源化に乗って、神戸で一番ハイソでお洒落なデパートに変身した神戸大丸さん。

昔日の大丸さん界隈を知る私は、その変貌ぶりにただただ戸惑うばかりですが、まあいいでしょう。今回そんな今浦島の私が目指すのは「平成の神戸」を通り抜けた先、昭和にタイムスリップした神戸です。

元町商店街にあるこのお店、数年前から前を通るたびに気になっていて、今回、やっと訪ねることができました。

こちらです。

「元町サントス」さん。
東京ではほぼ絶滅の危機に瀕している、昭和スタイルのフルサービスの”喫茶店”。京阪神ではまだ元気に繁昌なさっているお店が沢山あるように見受けます。その中でも、このお店の佇まいには特別なオーラを感じていました。

お店の中はこんなんです。外見から予想したとおりの渋さです。

従業員の方は全員白いシャツ・ブラウスに黒いズボン、マスターらしき男性は黒いベスト、というか「チョッキ」。ですよねー。

”渋い”ですが、堅くはありません。お店としても渋くキメているおつもりはおそらく無いでしょう。どっちかというと余裕というか、適度な”緩さ”が感じられます。

リラックスできます。ちょっと長居したくなります。

コーヒーなどの飲み物のほか、サンドイッチ、スパゲティなど軽食メニューも充実。

そして当たり前に全席喫煙OKです。私は非喫煙者ですが、文句ありません。
そもそも”喫茶店”はそういう場所でした。むしろこのお店で禁煙はヘンです。

コーヒー、おいしゅうございました。
当たり前にけっこうナミナミと大盛りなところも嬉しゅうございました。

普通に現像すると、オリジナルのナプキンの印刷が見えにくいので、実はちょっと苦労してホワイトバランスいじりました(笑)。

文字が少し欠けてしまっていますが、衒い無く”純喫茶 元町サントス”ですよ。そもそも純喫茶は”アルコール類を出しません”という意味のはずですが、今や意味が転じて、私には”ピュアな喫茶店のスタイルを守っています”という心意気のように見えます。勝手な妄想ですが。

元町サントスさん、期待通り素晴らしいお店でした。
また是非寄せてもらいます。

神戸にも、他のいろんな街にも、まだこちらのような素敵な喫茶店がたくさん
あるに違いありません。ビバ喫茶店!

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