京都に好んで遊びに行くようになったのは近年のことで、もともと関西育ちの割には存外にこの街のことを知りません。辻子という言葉を知ったのも最近のことです。
辻子(づし)・・・図子という字が当てられることもあるようですが、碁盤の目のように東西南北に走る条坊制のメインストリートの間を縫う細い道のこと。より正確には、通りから次の通りへ突き抜けて届くものを辻子、届かずに行きどまりになるものを路地(ろうじ)と呼ぶのだそうです。
このサイトによれば、京都市内にはこの辻子・路地の類の道幅4メートル未満のこうした道が1万3千本以上あるのだとか。
たくさんある辻子の中には、古都らしいたいへん趣深いものが数多く含まれています。
出張の途中で僅かな時間でしたがまたしても京都に立ち寄る機会があったので、FUJIFILM XF10でいくつかの辻子の写真を撮ってきました。
洛中ど真ん中で、四条通りと綾小路通りの間を南北方向に抜ける膏薬辻子。
辻子には民家だけでなくいくつかの商店、飲食店なども立ち並んでいますが、地元の方々の努力で、京町屋の格子が連なる落ち着いた景観がしっかりと保たれています。
小さな神田明神のお社も。
道のりにして目測200メートルほどの短い辻子ですが、とても気持ちよく写真散歩できる一角でした。
次なるは、これも有名な辻子ですが、祇園白川近くの巽辻子。
新町通りに並ぶ町屋の間、女性が入ろうとしているこの「隙間」が入口です。
正面から中を伺うと、こんな眺め。途中でクランク状に曲がって北側の新門前通りに抜ける辻子です。
短い辻子ですがここはほんとに道幅が狭いので、写真を撮ろうとすると無意識についタテ構図になってしまいます。
この細い辻子でもちゃんとお店が立ち並んでいて、しっかり商売なさっているのが流石は京都という感じです。
XF10はコントラストの強い絵が苦手なので、ハイライト部分がちょっとアレですが、雰囲気だけでもお伝えできているでしょうか。
白川まで歩いてきたのでおまけです。辻子ではありませんが巽橋から望む南側の細い切り通し。
結構絵になるわたしのお気に入りの眺めです。
京都通いはなかなかやめられません。