まだまだ残暑が厳しいので撮り歩きは厳しい・・・という言い訳もだんだん言い飽きてきたので、9月上旬のとある週末に、えいやっと思い切ってLUMIX G9PROIIを抱えて、上野まで出掛けてきました。初撮り・試し撮りというわけです。
この日G9PROIIに付けたレンズはLeica DG 12-60mm F2.8-4。35mm換算で24-120mmの広いズーム域をカバーするパナライカの万能標準ズームです。
MFTマウントではこの明るさのレンズでボケ重視の写真は難しいですが、「試し撮り」なので上野動物園の入り口を背景に無理やりボカシて1枚。
GX7IIやG99でも同じレンズを使ってきたので、どんな絵になるかはだいたい想像通りでしたが、G9PRIIはダイナミックレンジだいぶ頑張るなあ、というのが第一印象です。ぎりぎり白トビしてない(よね?)。
実は大事な初撮りのカメラ設定で大きなミスをしています。帰宅してから気が付いたのでどうしようもなかったのですが、RAW撮り屋のわたしなのに今回のカメラの撮影は「JPGのみ」。あちゃ、やっちまった。
RAWで撮っておいて現像時に諧調補正や発色の調整をじっくりやるのが常なので、撮影時には露出補正やフォトスタイルの選択は「大体の感じ」でシャッター切っちゃう悪いクセがついています。ハイコントラストなシーンで黒つぶれ白トビが出そうでも、調整しろの大きいRAWデータがあれば後で何とかなるさと、たいていそのまま撮ってしまう。
↑の写真では幸い大きく破綻しませんでしたが、「強制JPG撮って出し」設定に気付かず全てこの調子で大雑把に撮り歩いたのが、失敗写真をたくさん拵えた大きな原因です。やっちまったぜ。
仕方ない。カメラの試し撮りとしてはこれもまた良し、と思うことにしよう。人間諦めが肝心。
今回上野まで出向いた理由はこれです。東京藝術大学の学園祭「藝祭」。
去年久しぶりに遊びに行って楽しかった記憶があって今年も、と思ったのですが、すごい人出と暑さには参りました。現地に着いてから、そういえば去年も混み合って暑かったなと思い出してるわたし。↑の校門写真は残暑の厳しさがしっかり感じられて、なかなか。
暑い中での撮り歩きは快適とは言えませんでしたが、G9PROIIはAFがビシバシ決まる点は気持ちが良かったです。
この大学祭の名物が、学生たちが作って魅せてくれるオリジナルの神輿。今年も力作揃いでした。
神輿はどれも見事でしたが、一番手前の”閻魔大王”の次の神輿の”獏”は盛大に白トビやらかしてますね。空の白さも怪しい。まったく雑な仕事でお恥ずかしい限りです。
わたしの撮り方は雑ですがG9PROIIは精一杯仕事をしています。実は暗くなってしまった”閻魔大王”の顔のあたりのシャドーは(JPGデータを対象に)PhotoLabで無理やり少し持ち上げているのですが、黒つぶれに見えたところでも結構頑張ってニュアンスを残して撮れていました。このカメラのダイナミックレンジの広さには見るべきものがある、というわたしの印象は間違ってない気がします。
力感溢れる閻魔大王。子供も泣き出す(笑)怖さです。
この迫力。元の彫像(材料は発泡スチロールだというから驚き!)の作品の出来が素晴らしいのですが、写真のキレの良さもなかなかのものです。
さて、
G9PROIIと、わたしのもう1台の常用カメラS5および両者の間に位置するS5IIは、ご存じのようにLUMIXが大胆に金型コスト節約を決断したおかげで(こらこら)遠目にはほぼ区別のつかない三つ子ボディです。フルサイズのカメラと同型ボディというのはセンサーサイズが半分のMFTマウントにしては不釣り合いに大きいという批判は自然だし、わたしもその通りだと思います。
しかし、ボディが同型なので、操作設定をほぼ同じにすることができるという利点があるのも事実。今回初めてG9PROIIを使うにあたり、操作面のストレスが全くありませんでした。これはS5やS5IIのユーザーにとっては特筆すべきメリットであることは、声を大にして申し上げておきたい。
同じ過ぎて「新しいカメラを使っている」という気分の高揚に欠ける、という大人げないネガティブコメントも、小さな声で付け加えておくことにします。
さてこの学園祭、音楽学部の方ではアマチュアトップクラス(既にプロの人もいる)の学生演奏家たちのパフォーマンスが無料で楽しめてたいへんお得なのですが、それだけに人気が高く入場予約券は前売りで完売。当日思いついて来場したわたしは当然お呼びでなく、もっぱら美術学部の作品展示を見学して回ることになります。
芸術オンチのわたしですが、この日いくばくか琴線に触れたアート作品があったので、次回はそんなお話を。