今年は3月末に少し空気が冷えて東京の桜の開花が少し遅くなりました。ところがその散りぎわあたりから気温がぐっと上がり、花暦の進行はなんとも不順な感じになっています。ブレーキ踏んだ後に急にアクセルをふかしたみたいになって、植物の方も大変なんじゃないかな。
例年だと、梅、木蓮、桃、桜、ときた後は花水木(ハナミズキ)を楽しみにしているのですが、今年はソメイヨシノが散るのを待たずにばっと咲いて、ゆっくり写真を撮らせてもらう間もなく終わってしまいました。まことに残念。
というわけで、例年に増して短かったハナミズキの季節ですが、この木は東京の多くの場所で街路樹として植えられているようで、用事で出かけるついでにけっこう撮るチャンスがあります。カメラさえ持っていれば。
ある日、買い物のついでにカバンに入れて持ち歩いていたFUJIFILM XF10で少しだけ今年のハナミズキをスナップすることができたので、3週間遅れで記事にしておきます。
私の観測範囲では、一青窈さんが歌った「薄紅色」のハナミズキはほとんど見かけなくて、たいてい白い花です。一輪ずつは白い清楚な花ですが、木の全体では咲き乱れるという言葉が似合うくらい賑やかな咲きっぷりで、桜の散って少し寂しくなった街路や公園を再び華やかに元気づけてくれます。遠くから見て「あ、咲いてる咲いてる」って心が躍る感じが良いですね。
白い花びらに見えるのは実は総苞片(そうほうへん)と呼ばれる葉なのだそうです。4枚の白い総苞片の真ん中の粒々のひとつひとつが本当の花。葉が花に見えるという植物がほかにもあったなと思ってちょっと調べてみたら、アジサイがそうでした。そういえば”花”の感じがたしかにアジサイに似てなくもない。
そういう眼で見ると、たしかに小さな花が咲いているのがわかりますね。
さて、これらのハナミズキと同じ時期に、綺麗に咲いていた八重桜を見つけたので、最後に1枚だけアップしておきます。ビル街に咲く八重桜と、上空を横切る航空機がポイント。
XF10はRAWで撮れるので、RAWで撮ってPhotoLab7の助けをだいぶ借りて仕上げました。コンデジのスナップで花を撮るのは、一眼とは違う楽しさと難しさを感じますね。