降ったり晴れたり磐梯高原

只見線方面への初遠征前に滞在したのは、磐梯高原でした。わたしの夏の避暑旅行では近年恒例・定番の地です。

いつもの年と違うのは、ひとつはお天気。今年は雨に祟られました。晴れ間の見えた時間帯も少しあったのですかさず青空を撮ったりはしたのですが、いかんせん悪天候には手を焼きました。

もうひとつは機材。主力ズームレンズの故障で、いつものPENTAXではなくLUMIX G99とパナライカレンズを抱えての磐梯遠征でした。

センサーサイズは小さいG99ですが、望遠の絵の解像とAF精度では一番機PENTAX KPを凌ぐ性能があります。今回、まず自分なりに成果が出たのがこの写真。

雨に煙るカヌーの釣り人。恥ずかしながらこれまでこんなにしっかりと「雨の中の風景」が撮れたことはありません。望遠(Leica DG 50-200mm/133mm)+絞る+暗い背景という条件をそろえて雨の筋を写し、しかも狙ったカヌーにはしっかりピントを合わせるという、たぶんこの機材だからこそ撮れた1枚だと思います。

雨をしっかり撮るためにISO感度を高くしてさらにSSを遅くすることも試したのですが、ぶれてしまったり、水面が不自然な感じになったりしたので、結果的に↑くらいのバランスの方を良しとしました。

同じ「湖沼と釣り人」という題材でも、天候が違うとずいぶん感じが変わります。

これはこれでお気に入りの1枚。船上の2人の人物の「動き」が写真に活気を与えてくれていると感じます。

人物と〇〇と湖という点では、いろいろ思うところあるのが、次のこの写真。

早朝、ご婦人と子供(お孫さんかな)が犬の散歩中。「人とは反対向いて犬が何かに気をとられている可笑しみ」を表現できると思って撮りましたが、犬の毛並みが暗い色のせいかいまひとつ「反対向いて」がわかりにくい。明るい毛並みだったら判りやすかっただろうか。ほかに犬をもっと強調できる撮り方ができなかっただろうか、と後から思って、あれこれ考えましたが思いつきませんでした。

しかも考えているうちに、そもそもこの題材自体がたいして面白くもないな、とかこれが面白いと一瞬でも思うセンスがやばい、とかネガティブなことも考えてしまい、たかがスナップ写真1枚でもいろいろ考えさせられました。

雨に悩まされたので、ちょっとでも晴れると、青空が嬉しくなってつい撮ってしまいます。何を撮ったかよくわからない、けど、なんか嬉しい気持ちが写ってる気が(自分だけは)する、そんな写真。

今回、ガラスに映った空でさえ、青空は貴重でした。

空は降ったり晴れたり忙しかったです。一方、地面に目をやると高原ではもうコスモスが咲いていました。

せっかくのLeica DG 25mm f1.4でしたが、絞りを開けすぎると何が写っているかわからなくなるので、この時は中途半端な絞りで撮ることになりました。

この花は何かなあ。湿地で見事に咲いていたので名も知らぬままについ撮ってしまいました。

悪天候の制約もあって、今年はどこへ行って何をする、という忙しい滞在とは無縁で、とにかくじたばたせず裏磐梯を中心に高原でのんびりする。雨のやみ間は近所を散歩するなどしてゆったり過ごす、というのを旨としました。

と言いつつ、最後は、車道を歩く水鳥。交通量がけっこうある道なので、「近所でゆったり過ごす」はずのわたしですが、少し焦りました。おい、あぶないって。

しかし本人(本鳥)はいたってのんびりと余裕の足取りです。はらはら見ていると、車が来る直前に器用に渡り切って、道路の反対側の池に入っていきました。やれやれ。

雨も曇りもまた良し。只見に移動する前、ゆったり高原の避暑を楽しんだ数日でした。

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