第四只見川橋梁

毎年恒例の会津方面への避暑旅行、今年は初めてJR只見線沿線まで足を伸ばしてみました。会津若松(福島県)から小出(新潟県)まで山あいを走る秘境路線として昔も今も鉄道愛好家には人気が高いのですが、2011年の豪雨災害で途中区間が不通となり、復旧未だならず現在も会津川口~只見間は列車の運行はストップ(代行バスが運転)しています。

このうち、今回わたしが訪ねたのは会津柳津(あいずやないづ)から会津川口の間。鉄道風景写真としてはド定番のひとつ、水沼橋上より第四只見川橋梁を望む。

なにせ1日6往復しか無い列車が橋を渡るタイミングを狙うので、失敗が許されません。けっこう緊張しました。連写で撮った中から、車両位置のおさまりが良くないものと鉄橋のトラスで車両の顔が隠れてしまうものを外していって、消去法でこの1点が生き残り、晴れて巻頭作品(笑)となりました。

以下、にわか鉄道風景写真愛好家の備忘録メモ。

機材はPanasonic LUMIX G99とLeica DG 50-200mm。焦点距離100mm(換算200mm)で、被写界深度を深くしてキリっと撮る意図で、露出設定はF11、SS 1/250s ISO1250。SSは1/500s以上にすべきところだったが結果的に只見線の車両の遅さに救われた。手持ちでもなんとかなると思ったが念のため一脚を使用(水沼橋の狭い歩道の上では三脚は立たない)。一脚のご利益が実際にあったかどうかは不明だが安心して構えられた点は良かった。

同じ地点で焦点距離48mm(換算96mm)までズームアウトするとこんな風景です。(ここからの写真はレンズが変わってLeica DG 12-60mm)

なかなかの絶景を前にして、車両を入れてどう構図を作るか、画角も縦横もいろいろ迷いましたが、結局は最初の写真のように決めました。なにせあれこれ試したくても次の列車を待つ時間の余裕は無いので勝負は一度きり。決めて撮るしかないのです。

ただでさえ各所でのシャッターチャンスがわずかなことに加えて、この日は強めの雨が落ちたかと思うと突然雲が切れて陽がさしたりする難しいコンディションでした。上の写真の第四橋梁の時は雨が一瞬あがり光線の具合もわたし的にはOKな感じで助かったのですが、有名な第一橋梁を望むビューポイントでは、風雨が強く撮影場所の尾根の上まで登るのを残念ながらギブアップ。なんとか只見川を絡めて鉄道風景を撮れたもう1点は、会津川口駅近くの「かねやまふれあい広場」からのこの写真でした。

もともとは、列車の背景に只見川のエメラルドグリーンの滑らかな川面が拡がり、奥会津の山の緑とカラフルな集落の屋根の色が青い空に映える1枚・・・を狙っていたのですが、空の色も水の色も冴えず、川はさざ波立ってしまって滑らかさも失われてます。車両の手前側が思ったより暗く陰になって沈んでしまったのも誤算で、なんだか鈍い景色になってしまいました。

余談ですが、右下の列車の顔の真下あたりにごく小さく白い帽子の先が写っております。 線路際の空きスペースに先客カメラマン2人連れが陣取っておられて、この人たちをいかにフレームに入れずに撮るか苦労したのですが、しくじってほんのわずか写りこんでしまいました。トリミングせずプチ失敗として記念に置いておくことにします。それにしても、下の位置からだと写真は難しそうに思うのですが・・・次に機会があれば行ってみましょう。

ど素人が思いつきでポンと訪ねて、何の苦労もなく良い写真がじゃんじゃん撮れるほど、鉄道風景写真の道は甘くは無いですね。

気を取り直して、只見線の列車の写真をもう1点。

会津柳津駅ホームから、入線してくる会津若松行き上り列車を撮りました。夕暮れが近づいてヘッドランプの明かりが目立ち始める頃、静かなホームにわずかに人の気配があり、なんとなく郷愁を誘う絵になりました。どうということは無い写真ですが、自分としてはお気に入りの1枚です。

ということで、只見線に初チャレンジの巻でした。次回以降、柳津を含めて会津・磐梯での夏休み写真を何回か掲載する予定です。

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