Prime lens散歩 ぼたん苑

というわけで、標準単焦点smc FA31mmリミテッド一本で上野東照宮のぼたん苑を訪ね、冬牡丹を撮ってきました。

この寒い中で牡丹見物なんてのは年寄り臭い趣向かなあ、と思ったのですが、案に相違して来園客は結構バラエティに富んでましたね。老夫婦に若い学生風カップル、上品なおばさまたち、いろんな肌の色の外国人、わたしと同じようにカメラを抱えた老若男女・・・。ぼたん苑はそこそこの賑わいでした。

牡丹は春の花。本来はゴールデンウィーク頃に咲くものですが、それを写真のようにわらの帽子を被せるなどして温度管理して植物に勘違いをさせて、寒中に咲かるのが冬牡丹なのだそうです。

ぼたん苑を作る人が、一輪また一輪と手間をかけて大切に咲かせているのだと思うとなんとも愛おしく感じませんか。大輪の花の形も色もさまざまで、いろいろな変化を楽しむことができました。

このぼたん苑で、この時期に牡丹以外の見ものがもうひとつ、蝋梅(ロウバイ)です。本数は少ないですがこの苑内には蝋梅の中でもいくつか異なる種類の木があって、咲きっぷりもそれぞれで変化があって楽しいです。

蝋梅は冬になると葉が落ちて、その後で咲くのだそうです(苑内で園芸好きと思しきご婦人たちの会話から学んだにわか知識)。で、まだ葉が落ちてなくて、つぼみが膨らむ途中の木がこちら。

恥ずかしながら、わたしは葉が落ちてない蝋梅の姿を初めて知りました。

この木は丸いつぼみがたくさん付いて、少しづつ咲き始めています。実に可愛らしい。

そしてこれはたぶん素心蝋梅(ソシンロウバイ)の木ですね。今が花の盛りといったところ。

寒中に元気に咲くだけでなく、甘い芳香も放つロウバイ。この季節に目でも鼻でも楽しめる花です。

苑内には牡丹と蝋梅だけでなく、作りこまれた盆栽、箱庭、鉢なども随所に配されていて気が利いています。

花鳥風月の趣を解さず園芸にも疎いわたしですが、このぼたん苑はただただ感心して撮り歩きました。
とどめは五重塔を借景にして有無を言わさず「撮らされてしまう」この庭。
31mm単焦点ではどうしようもなかったので構図に含めませんでしたが、このさらに前景に小さな石庭が配してあって、実に良い景観が作り込まれていました。

というわけで、31mmレンズ一本でどうなることかと思ったのですが、幸いある程度「寄り・退き」自由で撮らせてもらえる庭園だったので、永世ビギナーの腕前の範囲ではありますが新年最初のPrime Lens散歩でそれなりの撮れ高を得ることができました。

FA31mmリミテッド使いこなしの道はまだ遠いですが、とりあえず今回感じたこのレンズの特徴と活かし方のアイディア。
このレンズ、ピントが合った部分の精細感とアウトフォーカス部分のボケの柔らかさのメリハリがすごく効きますね。絞り開放で使うとけっこう強い周辺減光があるけど、それは補正しないで逆手にとって、柔らかいボケ味とあわせて活かす撮り方を考えるといいかなあ。今後の研究課題です。

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