カメラ、はじめてもいいですか

「カメラ、はじめてもいいですか」第3巻(しろ 著 ヤングキングコミックス)について、PENTAX使いの間ではすでにかなり話題になっていますが、同好の者のはしくれとして、やはり当ブログでも取り上げておかねばならんでしょう。

絵柄もネームのテイストも、おじさんのブログに載せるものとしてはちょっとアレなのは承知の上です。

このマンガ、一人暮らしを始めた主人公の女子高生ミトが、写真が趣味の隣人と親しくなって、初めてカメラを手にします。そこから友達の輪が広がり、様々なシーンで撮り撮られる経験をしていくうちに、ミトはカメラと写真の愉しさ奥深さに目覚めていく、というお話です。

そもそも、話の発端で知り合う写真好きの美大生チサトの愛機がFUJIFILMのX-T3、彼女と友達になったミトが借りて使う初めてのカメラがX-T20、というところでムム、という感じはしていました。

X-T20を提げて公園に居るところを目ざとく見つけて近寄ってくる同級生ぶっちゃんとモアは、それぞれGR使いのスナップシューターとPENTAX KP+DA20-40mmリミを手にするペンタキシアン。チサトの友人ナギは町のカメラ店の子で親の代からNikon一筋。世界中を旅するバックパッカーの彼女のリュックの中にはZ50。そうか、NやSでなくフジ、ペンタ、ニコン・・・なるほど、著者のしろ さんは、

そういう人なのか!

わたしの勝手なレッテル貼りですが、この人はカメラ趣味については帝国ではなく共和国側の人(我ながら酷い比喩だな)なのです、そう決めました。なんだ、話が合いそうじゃないですか。

登場するカメラや写真撮影の技術の解説が平易かつ的確で判りやすいだけでなく、パッションに溢れているのも素晴らしい。密かにわたしのお気に入りのマンガになっていたわけですが、作品のテイスト的には公言するのがちと気恥ずかしく憚られておりました。

しかし、第3巻を読むにつれ、気恥ずかしいなどと言ってる場合ではなくなりました。ペンタキシアン立つべし! この作品への熱き支持を表明すべし! 

<第21話>KP使いのモアが念願のHD DA 55-300mmPLMを手に入れる。初めて見る望遠ズームに戸惑うミトに、モアは望遠レンズの魅力について諭す
<第22話>一緒に望遠撮影を楽しもうと、ミトのために父親からQ-S1 とTELEPHOTO ZOOMを借り受けてきたモアは、QマウントとPENTAXへの愛を熱く語る
<第23話>ぶっちゃんと3人で動物園へ。目当ての動物を粘って撮れたのは良かったが、モアは防塵防滴のPENTAXを頼りに無理をしてすっかり雨に濡れてしまいミトに慰められる。ぶっちゃんのGRは動物撮りに苦戦したが、最後に綺麗な虹を捉える

という、まことに心躍るストーリーが第3巻の中核です。筋金入りのペンタキシアン父娘の登場だけで十分ムネアツな展開ですが、巻末の後書きマンガでは2ページ全部使ってPENTAX K-3IIIを全力推しです。

「アナログな技術という不確かさの中にこそ、撮影本来の喜びが見いだせる」そうです。わたしはモア嬢の熱い弁舌に膝を打ちまくりで、もう両手のひらは赤く腫れておりますよ。

リコーイメージングの方、いかがですか? 泪で滲んで良く読めませんか、そうですか。
みなさん、もう買って読むしかないでしょう。読んでSNSで激推しするしかないでしょう。え、もうとっくに読んでますかそうですか、たいへん失礼いたしました。

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