5月に神戸で撮り歩いて以来「インダストリアルな港湾風景が撮りたい」という気分が高まってきて、機会を窺っていました。
とはいうものの、港湾産業地区となると部外者が写真を撮れるほど近接距離に立ち入れる場所がほとんど無くてですね、さてどうしたものか。芝浦か青海あたりでロケハンするか、しかしこの暑さではあてなくうろつくのは辛い・・・
と思案していたところ、横浜港の産業遺構「ハンマーヘッドクレーン」を見つけました。1914年に日本発の港湾荷役用クレーンとして建造され1970年代まで活躍した歴とした近代産業施設。これは撮りに行く価値あるんじゃない?
隣接する客船ターミナルとあわせて商業施設化されて、気軽に行けるみたいだし(笑)。

ということで、横浜の新名所を知らなかった田舎者が、LUMIX S5を提げてハンマーヘッドまで行ってきました。
「夕焼け空とクレーン」という景色を狙って行ったのですが、天気予報に裏切られ、あいにくの重たい曇天。仕方なくクレーンの無機的な迫力を出す方向に作戦変更し、今回はモノクロ仕上げです。
超広角SIGMA 17mm F4 DG DNを使ってクレーンの足下から。
左下に見えている白い船は海上保安庁の巡視艇。
以下の写真はすべてLUMIX S 24-105mm F4です。
ちょっと退がってクレーン全景はこんな眺め。
なるほど、この形が「ハンマーヘッド」の由来なのか。
鋼鉄感がなんとも良き。
今回のモノクロRAW現像は、DxO FilmPack7を使って”Rollei Retro 80s”風の現像をしています。ハイコントラストでかつキメが細かい独特の仕上がりがお気に入り。
ハンマーヘッドクレーンは予想通り良い被写体です。今回は良い「小手調べ」になりましたが、やはり最初の狙い通り「夕焼けとクレーン」の絵をいつか撮りに来ないといけないな、と決意したわたしです。
他の写真も何点かアップしておきましょう。
隣接する客船用桟橋とその先の風力発電施設を、救命浮き輪越しに。
港から少し離れてしまいますが、横浜市役所近くの花が煉瓦作りの建物に映えていい感じでした。敢えてモノクロで。
日傘のお嬢さん、ナイスアシスト感謝です。
というわけで、初めて横浜ハンマーヘッドクレーンを撮ってきました、の巻でした。
※余談
途中で大桟橋方向に見えた船の大きさがヤバかったです。船体のあまりの巨大さに最初はなんだか理解できず、帰宅後にグーグル先生に教えてもらったところ、日本郵船の「自動車運搬(専用)船」だそうです。全長200メートルで数千台の車両が積載可能らしい。
なにかのイベントで大桟橋に来ていたようで、あらかじめ知っていれば「現代の港の産業施設」として見に行って、中に入れないまでも近くで写真を撮ってくるべきところでした。遠景の船影だけ載せておきます。


