「カメラバカにつける薬」を讃える

飯田ともきさんのマンガ「カメラバカにつける薬」を愛読しているわたしです。

目下「カメラバカにつける薬 in デジカメWatch」で連載中のエピソード「K・刻をこえて 独創編」が凄いぞ、ということを声を大にしてひとこと言いたくて記事にしておきます。この記事を書いている時点でエピソード(10)までが公開されています。

もともと、カメラマニアの愛すべきダメっぷりを連作で描く趣味のマンガ、なのですが、ときどきかなりぶっとんだ設定のカメラ/レンズ擬人化作品が登場して異彩を放っていました。たとえば初期作品でキヤノン対他メーカーのカメラによる野球試合(!)対決、というのがあって驚愕しました。降雨の中、満を持してリリーフ登板したPENTAX K-1の力投とか、死ぬほど笑いました。

最近、この擬人化の進化形として新たな境地を切り開かれたようです。美少女カメラ・キャラによる迫力あるバトル/アクションが見られるようになり、コマ割りをはみ出さんばかりの勢いで、HUNTER×HUNTERか血界戦線かと見紛うばかりのド派手な必殺技対決を繰り広げています。

(遠方の爆炎を観測しながら)「今の、ガチピンをよけたよね」「相手も明るいレンズに変えたみたいですね」「ふーん、明るいレンズは重いはず。モーターに秘密が・・・でも、スタートが遅い! アイスタートAF!」バーン!(「シン・EOSの目覚め」より)

いや飯田さん、すごい。アタマおかしい(賛辞)w

最新エピソード「K・刻をこえて 独創編」はこんなお話です。

旭光学がスクリュー型SマウントからパヨネットKマウントへの移行を試行錯誤する時代。過去が改変されパヨネットの採用が早まって名機LXが消された世界線に、LX顕現の使命を帯びて送り込まれた美少女重武装アバター「メタリカ」「メモリカ」(その正体はペンタキシアンのおっさん兄弟 笑)が、この世界の旭光学、ミノルタ、オリンパスの刺客らと熱いバトルを繰りひろげる。

「私がヤツの露出を記憶している間に、アンタの金属幕でたたき切って!」・・・「今よ、幕速全開!」「マウント、ダイヤル、脚、ここもダメか。あとは・・・」「もう露光がオーバーする」「カメラの弱点は、金属幕・縦走行 底!」ズバア!(「K・刻をこえて 独創編(その9) 」より)

何回も言いますけど、飯田さん、絶対アタマおかしい(大絶賛)www

可愛くとぼけた絵柄と、ぶっ飛んだアクション、躊躇なく織り込まれるカメラマニアネタの、振れ幅の大きさというかあり得ないアンバランスさというか、もう抱腹絶倒としか。

いや、バトル仕立て以外の作品も、ユーモラスで強烈にエスプリ効いてて、ときどき妙にハートフルで、超おすすめです。もし万が一、まだあまり飯田ともきさんを知らない、という写真・カメラ愛好家がいらっしゃるなら、是非読んでみることをお勧めします。

【7/30追記】

エピソード(11)に至って、にわかに急展開。

ぎりぎりの戦いでMDN-OM1を倒したメタリカに、”この時代に無いはずのカメラ”を渡して「おまえをミラーレスの覇者にする」と告げる悪人面の最高利口者(リコー)。絶叫するメモリカ「だめだメタリカ・・・! おまえはLXになれ! 私の布幕を受け取って横走行を覚えろ!」

クライマックス近し!

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