妙心寺で龍に会う

右京区花園にある妙心寺に初めて行ってきました。臨済宗妙心寺派の大本山です。

JRの花園駅から徒歩数分で下の写真の南門に達することができるので、京都の大寺院の中ではかなり公共交通の便の良い方と言えると思います。

ただし、この門は広い広い寺域のようやく入口で、大本山内に46とも47ともいわれる塔頭(小寺院)を擁し、中を巡るだけで足が棒になりそうな(私はなりました)巨大なお寺であることは覚えておいた方が良いと思います。

壮麗な三門です。

この日はここからまっすぐメインイベントの法堂を目指すことはせずに、セミファイナル塔頭のひとつ退蔵院を目指しました。

妙心寺の境内では松の木がたくさん植えられていて、味のある枝ぶりになっているものが多いような気がします。退蔵院の寺門に差し掛かる松の枝もいい感じです。

今回の写真のメインはこの退蔵院です(カメラはLUMIX G99 レンズはLeica DG 12-60mm)。見どころの多いお寺ですが、院内に入る前に、まず入口で自由に遊べるように置かれていたこの遊具(?)に釘付け。

ミニチュアの枯山水です。砂を張った木枠の脇の器に様々な色・形の小石が無造作に積まれていて、(写真に撮り損ないましたが)水流のような砂紋を作るための小型のレーキまで置いてあります。レーキで砂紋を描いて好きなように石を並べて、ミニ枯山水を作ってごらん、という趣向。

写真で大きさがわかりにくいですが、写っている大きめの石でも簡単に2本の指でつまめるくらいで、要は石並べも砂紋造りも片手で楽々、くらいのサイズ・重量感です。

これ、結構ハマります(笑)。売り出したら世界中で人気が出そうな気がする。知らんけど。

一方、こちらが本物の枯山水。

やっぱり本物は段違いに美しいです(当たり前)。

白壁の退蔵院内を巡って行くと、

水の流れをあしらった庭に出ます。青空に映えて見事な景観。

枯山水も庭園も見事なものなのですが、わたし的に今回の退蔵院で最大のセンセーションはこちらの水琴窟。

水琴窟をご存じない方向けに、超説明的な写真ですみません(苦笑)。竹筒に耳をあてると、地中に伏せて埋められた鉢の中で、水滴が水面を打つ音が響いて妙なる調べを奏でます。

いままでいくつかの寺院で水琴窟の音を聞かせてもらいました。どれも大層心に沁みる美しい音色でしたが、それらと比べても、ここの硬質な音色はまた格別。音は写真で残せないのが残念です。

撮影不可の素晴らしい景色と音色の楽しめる退蔵院ですが、この日訪れる人はほんの疎らで、方丈にも静謐な時が流れていました。感染症対策上は安心ですが、なにやら申し訳ない気分。

さて、妙心寺と言えば最も有名なのは法堂天井に狩野探幽の手によって描かれた雲龍図だと思います。わたしの内なるメインイベントも当然これだったのですが、残念ながら撮影NG。

法堂の近くで見学可能な庫裏の天井にごく小型の模造品がぶら下げてあったので、本物の迫力には及ぶべくもありませんが、気休めに掲載しておきましょう。

まあ、本物の雲龍図の雰囲気だけでも伝われば・・・いや、これじゃあ伝わらないなあ。未見の方は一度は訪れてご覧になって、後悔はしないと思います。

法堂や庫裏を見学した後、花園会館という立派なホテル(これも寺域内!)の売店でいくつかお土産品を求めることもできて、至れり尽くせりの妙心寺。宗派関連の方々向けのホテルなのでしょうが、一般観光だっていっそこのホテルに宿泊滞在してしまうのはどうでしょう。JRの駅だって近いのだから、穴場かも。

ただし何回も言ってますがこのお寺はやたら広いので、徒歩移動は考えて動かないと後悔することになります。私はgoogleマップとにらめっこした上で花園会館から嵐電の妙心寺駅を目指すのをあきらめ、タクシーを呼んでもらって移動することにしました。

ご利用は計画的に。

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