PENTAXの販路はどうなる

わたしはPENTAXの一眼レフカメラを愛用しています。ご承知のように製造・発売元のリコーイメージングが↓のように

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「販売の体制を4月1日に刷新」「販売店経由の流通網を主体とした販売手法から、インターネットを通じた販売にシフト」と社長名で公式に宣言していますから、さて4月からどんなふうに変わったのかな、ということを(個人で身の回りを片手間に見て回る範囲ですが)確かめておこうと思います。注目しているのは次のような点です。

①実店舗販売では、あらゆる小売店の店頭からPENTAX製品は姿を消すことになるのか、大手カメラ量販店などではPENTAX売り場が維持されるのか
②インターネット通販では、メーカーは公式サイト以外の販路への商品供給を絞るのか、主要通販事業者でのPENTAX取り扱いは維持されるのか。
③これらの販路絞り込みが部分的にでも実行されるとすれば、その結果的メーカーによる価格統制が働きやすくなる(小売価格が高めに維持されやすくなる)のか、そうではないのか

SNSでのユーザーの方々の情報発信を見ていると3月末の段階で「PENTAX製品コーナーが一夜にして店頭から姿を消した」みたいな話もあったりして、果たしてどうなっているのかな、と。

4月18日現在で、調査サンプルとして、いくつかの販売店で、K-3IIIボディとHD DA20-40mm limitedレンズの販売状況と税込み価格(単位:円)、および各店の提供するポイント還元を調べてみました。主要なインターネット通販と、東京新宿の大手小売店での実店舗販売は下表の通りでした(間違いがあるかもしれないので、購入に走る人は自己責任で確かめてください)。

(注)各店の価格およびポイント還元には、期間限定・会員カード指定などさまざまな条件が付いていますが表記を省略しています。

メーカーの直販サイトが始動しましたが、少なくとも4月中旬の段階では、東京の大手量販店店頭でも、主要通販事業者でもPENTAX製品は変わりなく販売されているようです。実勢価格にけっこう凸凹があるのも従来通り。”準公式”と称されることもある八百富さんは相変わらず安いですね。あと表中に掲載しませんでしたが、新宿のマップカメラの店舗にもささやかながらPENTAX-RICOHの展示コーナーはありました(K-1IIとGRIIIが展示されていました)。

これが今後数ヶ月でどう変化していくのでしょうか、あるいはたいして変わらないのでしょうか。

以下は、わたし個人の120%無責任な妄想です。

ビジネス常識的に、メーカーの方から販売店に対して「もう卸しません」と決別宣言することはよほどのことだと思うので、特にボリュームのある販売ルートをリコーさん主導で畳むということはたぶんできない。

しかし逆はある。メーカーが通販での直販を強化すると宣言したら、既存の販売店の方から「そっちがその気なら、こっちではもう売ってやらない」と取引を縮小されてしまうか、少なくとも揉める火種になるというのは、いろんな業界での”あるある”ネタ。
揉めた揺り戻しでメーカー側が日和って、直販での取り扱い品種を絞るとか、競争的な価格設定を避けるとかすると、直販の売れ行きは伸びず結果的に振り出しに戻る、というのもよくある話。

今回のPENTAXの「脱・販売店経由の流通網」宣言がはたしてどんな顛末になるか、ユーザーとしては気になるところ。泡沫ユーザーのわたしとしてはPENTAXに孤高のインターネット直販純化路線を頑張って突き進んで欲しいかというと、そうではない。直販と小売業者の実店舗・通販が健全に競争しつつ、ユーザーとして購入機会の選択肢が多く残る形になってほしい。しかしメーカー・小売双方がハッピーな形で両者をバランスさせるのは、至難の業だろうなあ。

ひとつの予想として、量産品は既存の小売販路がそのまま残り、PENTAXが言う「工房的モノづくり(クラウドファンディングで”Jet Black”を作るみたいなやつ)」の部分だけが直販主体になっていくというのは、あり得るかもしれない。ただし、それでPENTAXが生き残るためのリストラ策としてOKなのかどうかは、わからん。ユーザーとしては何とも心配なところ。

わたしごときが勝手に心配してもどうしようもないので、固唾をのんで推移を見守るしかありません。それよりもっとレンズ買ってあげろよと言われれば、全くその通りで一言もありません。

いやはや。

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