戒厳令の昼

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このブログではいつものことですが、少々時を遡ります。
東京都知事さんが初めて週末の外出自粛を強く呼びかけた3月末。いよいよ東京も戒厳令だな、と感じたものです。

”戒厳令”後は、さすがに良き市民としてむやみな外出を控えるようにしましたが、今回の写真は、その直前のとある平日の昼下がりに東京港区の湾岸(一昔前にはウォーターフロントとか呼ばれた地区)で用事を片付けた後、FUJIFILM XF10片手に歩いたときのスナップです。

エントリータイトルは五木寛之「戒厳令の夜」を工夫無くもじったものだよ、とか説明しないと、最近の人にはわからないんだろうなあ。

東京港区と聞いて何を思い浮かべるか? 六本木ヒルズ、広尾・麻布あたりの大使館”租界”、レインボーブリッジ、人によりいろいろあるでしょうが、私の場合、かなり上位にこの子たちの姿が来ます。湾岸の空の王者ゆりかもめ。

ご一族は京浜運河でお寛ぎ中の様子。水辺で舞っている時はそれなりに優雅なのですが、遊歩道の一角がリビング兼トイレとして占領されていてなんとも。動物の生態ありのままというのは、さほど美しいものではありませんね(苦笑)。

港町で育った私には、海の近くでは空の色が変わる、という説明しにくい感覚(というか不合理な思い込み?)があります。この日、湾岸のこのあたりの空は”海色”だなあ、と思いました。

倉庫街の一角。壁を這うツタにあまり元気がありませんでしたが、なんでかな。季節的にそういうもの?

東京海洋大学のキャンパス内。このあたりの桜は、この日あたりがちょうど見頃。

爽やかに疾走するボート。

私は単に通りすがりの者ですが、大きく運航会社名入りで撮らせていただいたので、少しだけPRのお手伝い。大小70隻の船でいろんな企画が組める貸切クルーズ専門の会社さんのようです。

最後はもう一度、桜。
ことし桜を撮るのは、これがたぶん最後かなあ。

XF10は28mm相当の広角寄りの画角ですが、かなり寄れるので背景をボカす写真も楽しめるのが良いですね。絞りを開放F2.8から変えて何点か撮ってみて、今回はf8まで絞ったこれが一番気に入りました。

桜、綺麗ですねえ。今年はなんかいつもの年と違う感慨。

というわけで、戒厳令直前の気配はあまり感じない、それだけにいろいろ複雑な思いが湧く、湾岸タウン散歩でした。
このあと東京はほんとの戒厳令、というか緊急事態宣言になだれ込んでいくことになるわけですが、それはまた別のお話。

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