歌川広重「名所江戸百景」の第二十六景は 八景坂鎧掛松(はっけいざかよろいかけのまつ)、元の絵はこちらです。
場所は今の大田区・大森山王あたりの高台、眼下に見えている海沿いの並木は東海道、ということのようです。遠く品川宿を見渡せていますが、残念ながら現在はこんなに良い眺めは望むべくもありません。精一杯寄せて同じアングルと思しき写真を撮って、こんなんです。
海岸も東海道も見えませんが、JR大森駅西口を出てすぐのところに八景坂とその上の高台は小さな神社の境内として現存します。元の絵の”鎧掛の松”はさすがに既にありませんが、代わりに椎(しい)の巨木が威容を誇っています。
静かな佇まいの天祖神社のお社。
境内への参道は直登の急階段になっていて、その脇を回り込んで登る坂道が現在の八景坂でこちらも階段路。坂の上から見下ろしてみると、壁沿いに気になるレリーフが並んでいるのが目につきます。
このレリーフは、大正~昭和初期に大森山王・馬込近辺に多く在住した文豪たちの足跡を記したもので、八景坂が「馬込文士村散策路」の一部として指定されこのように設えられているのだそうです。公式サイトのリンクを置いておきましょう。
散策マップ
馬込文士村散策マップ
というわけで、広重画伯の絵の再現は難しかったですが、この近辺は後世においても変わらず文人を惹きつける場所であったのだなと、思わぬ発見のあった”百景”撮り歩きでした。




