雑司ヶ谷 写真散歩(2)

旧宣教師館が休館日で出鼻をくじかれたわたしの雑司ヶ谷散歩です。時間の頃合いがちょうど良かったので、どこかでいったんお昼にして一服してから態勢を立て直すことにしましょう。

google mapで見てこのあたりで食事処がありそうな弦巻通りの方に歩き出すと、高台からぐんぐん坂を下ることになりました。

この写真を見ていまさら気が付きましたが、ゾウシガヤの表記は二種類あるんですね。たとえばこんなふうです。

住所表記:雑司が谷
都電荒川線(さくらトラム):雑司ヶ谷電停
東京メトロ副都心線:雑司が谷駅
樋口毅宏の小説:さらば雑司ヶ谷

この記事では雑司ヶ谷と表記しますが、世間の表記が統一されていないという点は注意しましょう。

坂を下った先にあることと緩やかな曲線をくねくね描いていることから、弦巻通りは旧くは川筋だったのではないかと勝手に想像しました。ハイソな高台の住宅街から低地に降りてくるとどことなく下町情緒のある商店街へと様子が変わり、これはこれでまた別の雑司ヶ谷風景なのですね。

一番に目を惹いたのはこのパン屋さん。
外見も店内の様子もこれぞ地元ベーカリーという手作り感満点のお店。焼きたてのメロンパンや美味しそうな手作りカツサンドが魅力的だったので、小さなイートインコーナーで食事しようかと思いましたが、いやいや他を偵察してからと思いとどまりお土産に手作りの「赤丸ラスク」だけ買っていったん退散。

かわいらしい雑貨屋さん。

女性が喜んで訪ねてきそうな良い雰囲気ですが、ともかくもランチ探索を急ぎます。

鉄板焼きのお店がありましたが本日休業。その裏に同じ経営のおせんべい屋さんの工場があったのですが、ここも今日はお休みの様子で残念。

その工場の少し手前で目立っていたお寿司屋さん。いい感じに敷居の低そうな店構えと店頭掲示のランチメニューのお手頃さに惹かれて離れられなくなりました。本日の昼食はこちらで決定。
地元のお客さんで賑わっていましたが、幸いカウンターに空席があって美味しい握り寿司にありつけました。こちらのお店はコスパ最高ですよお客さん。テーブル撮り苦手なので写真は載せませんけど、ぜひ店名で検索してお試しください。

初めてこの街を歩くわたしの脳内に「さらば雑司ヶ谷」があることは前回触れた通りです。読後随分経つので記憶があやふやですが、高級住宅と古い下町の文化相克の街を舞台に謎の宗教団体と大陸マフィアが暗躍する血と暴力のダークエンタテイメント問題作、みたいなイメージが漠然とあり・・・

リアル雑司ヶ谷には、当たり前ですが陰謀が渦巻いている気配は全くなく、ただ静かに住宅とパン屋とせんべい工場と寿司屋が静かに早春の日を浴びているばかりでした、はい。

食事をして気分を落ち着けた上で、さてこれからどこを歩いて回ろうかと再考し、やってきたのがこちら。

はい、都立雑司ヶ谷霊園です(ここは「ヶ」ですね)。池袋の高層ビル群がなんとも独特な背景になっていますが、墓地なので当たり前ですが静謐な佇まいです。しつこいようですが銃撃戦とか起こりそうな気配はもちろん皆無でした。

霊園の一角には文豪夏目漱石のお墓もあります。というかこれを見に来ました。

さすがというかなんというか、なかなか重厚な墓所です。

そして霊園を抜けると、すぐに都電の雑司ヶ谷電停。

これくらい光量に恵まれると、普及クラスの標準ズームレンズSIGMA17-70mmでもピント面はかなり高精細で撮れますね。

で、上の写真のホームに立つと目に入るのが、この異様な建物。

これもいつになくクリアに撮れていますが、高層マンションと大きな中層のオフィスビルが一体化していて、周りを網状のフェンスで囲んでグリーンを這わせるユニークな外観。わたしの予想では、年月をかけてフェンスの樹木を成長させてエコロジカルな空中庭園的ビル意匠を形成したいのではないかと。

類似の試みは東南アジアでいくつか見たことがあるし、たしか福岡でも似た例があったような。しかし大胆な設計だなあ、施主はどういう会社なんだろう、と感心して写真を撮ったのですが・・・帰宅してから調べてみたら、これ豊島区役所なんだそうです。

モノを知らなくてすみません、世事に疎いというのはほんと情けないですね。地元ではきっと超有名で、区役所のこれが話のタネになったのはもう何ヶ月も何年も前だぜ、というレベルのトピックなのでしょう、きっと。

というわけで、雑司ヶ谷散歩もそこそこ進んできましたが、この続きは次回。

タイトルとURLをコピーしました